建設機械施工管理技士は、建設現場において重機や建設機械の管理・運用を担当する専門資格で、建設現場の安全性と効率性を確保するために重要な役割を果たしています。
この記事では、建設機械施工管理技士の概要や土木施工管理技士との違い、具体的な仕事内容などについて解説します。
建設機械施工管理技士とは
建設機械施工管理技士は、建設現場で使用される重機や建設機械の操作・管理を専門とする資格です。この資格を持つことで専任技術者、主任技術者、監理技術者となる資格があり、機械の効率的な運用と現場の安全確保に貢献できます。
また、建設プロジェクトの進行をスムーズにするための技術的なサポートにも携われる専門職です。
土木施工管理技士との違い
土木施工管理技士は土木工事全般の管理を行う資格であり、橋梁や道路、トンネルなどの建設を監督します。一方、建設機械施工管理技士は、土木工事で使用される重機や建設機械の運用と管理に特化して業務にあたります。
つまり、土木施工管理技士がプロジェクト全体に関わる仕事であるのに対し、建設機械施工管理技士は機械の効率的な運用・管理にのみ関わる仕事です。
土木施工管理技士についてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。

建設機械施工管理技士の仕事内容
建設機械施工管理技士の資格には2級と1級があります。ここでは、建設機械施工管理技士の仕事内容と、2級・1級の資格内容の違いについて解説します。
主な仕事内容
建設機械施工管理技士は、建設現場で使用されるさまざまな重機や建設機械の操作・管理を行います。具体的には以下のような業務が含まれます。
機械の運用計画と管理
現場で使用する重機や建設機械の運用計画を立て、それに基づいて機械を効率的に配置・運用します。これには、作業の進行状況を確認し、必要に応じて調整することも含まれます。
安全管理
現場での機械操作に関する安全対策を徹底します。機械の点検やメンテナンスを行い、安全に稼働できる状態を保つことが求められます。また、作業員への安全教育も重要な役割です。
作業の監督と指導
現場作業が計画通りに進行するよう監督し、作業員への指導を行います。適切な機械操作ができるようにサポートし、トラブルが発生した場合には迅速に対応します。
品質管理
建設機械を使用した作業の品質を確保するための管理を行います。特に精密な作業が求められる場合には、機械の設定や操作を慎重に行い、品質の維持向上に努めます。
2級と1級の違い
建設機械施工管理技士の2級と1級では、それぞれ求められるスキルや業務範囲が異なります。
2級建設機械施工管理技士
2級は、主に現場での実務経験を積むための基礎的な資格です。基本的な機械操作や管理を担当し、現場の安全や作業の効率化を図ります。新入社員や経験の浅い技術者が取得することが多く、現場での実務を通じてスキルを磨いていきます。
1級建設機械施工管理技士
1級は、より高度な知識と経験を持つ技術者向けの資格です。現場全体の管理や大規模プロジェクトの運営を担当し、プロジェクトの計画から竣工・引き渡しまで、すべての工程でリーダーシップを発揮し、より複雑な問題にも対応します。また、管理職や指導者としての役割を担うこともできます。
建設機械施工管理技士の年収はどれくらい?
建設機械施工管理技士の年収は、経験や資格の種類、勤務する企業の規模や地域によって異なります。
一般的に、2級の建設機械施工管理技士の年収は300万円~500万円程度です。一方、1級の資格を持つ技術者はより高度なスキルと責任を持つため、年収は500万円~800万円、場合によってはそれ以上の収入を得ることもできます。プロジェクトの内容や地域によっては、さらに年収を上げることも可能です。
建設機械施工管理技士の技術検定概要
建設機械施工管理技士の試験概要について、2級と1級に分けてご紹介します。なお、受検資格は令和6年度より変更されたため、ここでは制度改正後の概要をご紹介します。
旧受検資格はこちらをご覧ください。
2級建設機械施工管理技士
受検資格・費用
2級建設機械施工管理技士の試験は第一次検定(筆記)と第二次検定(筆記と実技)に分かれています。第一次検定は、満17歳以上であれば誰でも受検できます。
第二次検定は第一次検定の合格か、実務経験により受検資格を得られます。必要な実務経験年数は下記表の通りです。
受検資格 | |
---|---|
第一次検定 | 令和7年3月31日時点で満17歳以上 |
第二次検定 | 下記のいずれかを満たす者 2級第一次検定合格後、2年以上の施工の管理の実務経験を有する者 2級第一次検定合格者で、建設機械を操作した施工の実務経験(補助作業を含む)が6年以上の者 1級第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
受検費用 | |
---|---|
第一次検定 | 14,700円(1種別につき) |
第二次検定 | 27,100円(1種別につき) |
- 令和6年から令和10年までは経過措置として、第二次検定は旧受検資格と新受検資格の選択が可能となっています。
試験日程・実施場所
試験は第一次検定、第二次検定ともに年2回実施されます。第二次検定は筆記と実技で日程が変わるため注意してください。第一次検定、第二次検定では試験会場が変わるため、事前に確認しておきましょう。以下、令和6年度の日程をご紹介します。
試験日程 | |
---|---|
第一次検定・第二次検定(筆記) | 令和6年6月16日(日) |
第二次検定(実技) | 令和6年8月下旬~9月上旬 |
実施場所 | |
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第一次検定・第二次検定(筆記) | 北海道北広島市、岩手県滝沢市、東京都、新潟市、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市 |
第二次検定(実技) | 石狩市、仙台市、栃木県下都賀郡壬生町、秩父市、小松市、富士市、刈谷市、明石市、小野市、広島市、善通寺市、福岡県糟屋郡須恵町、沖縄県国頭郡宜野座村 |
参照:日本建設機械施工協会|2級第一次検定 受検の手引
日本建設機械施工協会|2級第二次検定 受検の手引
1級建設機械施工管理技士
受検資格・費用
1級建設機械施工管理技士は、より高度な実務経験が求められる難関資格です。2級同様、試験は第一次検定と第二次検定に分けられています。それぞれ受検資格や費用が異なるため、しっかり確認しておきましょう。
受検資格 | |
---|---|
第一次検定 | 令和7年3月31日時点で満19歳以上 |
第二次検定 | 第一次検定合格後、実務経験5年以上 第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 第一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上 第一次検定合格後、実務経験1年以上 2級第二次検定合格後、実務経験5年以上(1級第一次検定合格者に限る) 2級第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る) |
受検費用 | |
---|---|
第一次検定 | 14,700円 |
第二次検定 | 実技試験(2種別受検):38,700円 実技試験(1種別免除・1種別受検):29,100円 実技試験(2種別免除):19,500円 |
- 令和6年から令和10年までは経過措置として、第二次検定は旧受検資格と新受検資格の選択が可能となっています。
試験日程・実施場所
試験日程は2級同様、第一次検定、第二次検定ともに年2回実施されます。実施場所は北海道の第一次検定・第二次検定(筆記)のみ2級の実施場所とは異なるため、間違えないように注意しましょう。
試験日程 | |
---|---|
第一次検定・第二次検定(筆記) | 令和6年6月16日(日) |
第二次検定(実技) | 令和6年8月下旬~9月上旬 |
実施場所 | |
---|---|
第一次検定・第二次検定(筆記) | 北海道札幌市、岩手県滝沢市、東京都、新潟市、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市 |
第二次検定(実技) | 石狩市、仙台市、栃木県下都賀郡壬生町、秩父市、小松市、富士市、刈谷市、明石市、小野市、広島市、善通寺市、福岡県糟屋郡須恵町、沖縄県国頭郡宜野座村 |
参照:日本建設機械施工協会|1級第一次検定 受検の手引
日本建設機械施工協会|1級第二次検定 受検の手引
試験の難易度と合格率
建設機械施工管理技士の試験2級と1級の、令和5年度の合格率を以下にまとめました。
年度 | 検定・級 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和5年 | 第一次検定(2級) | 6,939人 | 3,193人 | 46.0% |
第二次検定(2級) | 4,372人 | 3,193人 | 73.0% | |
第一次検定(1級) | 2,397人 | 721人 | 30.1% | |
第二次検定(1級) | 925人 | 564人 | 61.0% |
引用:日本建設機械施工協会|令和5年度1、2級建設機械施工管理技術検定【第一次検定】の合格発表について
日本建設機械施工協会|令和5年度1・2級建設機械施工管理第二次検定の合格発表について
2級建設機械施工管理技士の試験では基礎的な知識や技術が問われるため、比較的受検しやすいでしょう。建設機械の運用や安全管理に関する設問もあり、実務経験が少ない受検者にとっては難しい問題もあるかもしれませんが、十分な学習をすれば比較的合格しやすい資格です。
一方、1級建設機械施工管理技士の試験内容は幅広く、専門的な知識や管理能力が問われるため、難易度が上がります。特に、施工計画や法規に関する問題では詳細な理解が求められます。
建設機械施工管理技士の資格を取得するメリット
建設機械施工管理技士の資格を取得するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。大きな3つのメリットをご紹介します。
収入アップが見込める
建設機械施工管理技士の資格を取得すると、収入の増加が期待できます。建設現場での専門的な知識と技術を証明できるため、昇給や昇進につながったり、資格手当が付いたりします。特に、1級の資格を取得すると管理職やプロジェクトリーダーとしてのポジションも目指せ、年収が大幅にアップする可能性があるでしょう。
主任技術者・監理技術者になれる
建設機械施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者や監理技術者としての役割を担うことが可能です。主任技術者は、建設現場での作業を直接監督し、品質や安全を確保する役割を担います。また、監理技術者は複数のプロジェクトを統括し、全体の進行管理を行う重要な役割を果たします。
各種技能講習などで講習の受講義務が免除される
建設機械施工管理技士の資格を取得すると、特定の建設機械の操作や安全管理に関する講習が免除されることがあります。これは、資格取得者は必要な知識と技術を既に持っていると認められるためです。結果として現場での業務に専念できる時間が増え、効率的に働けます。
建設機械施工管理技士の資格を取得するための勉強方法
最後に、建設機械施工管理技士の資格を取得するための勉強方法をご紹介します。
独学で学ぶ
独学で建設機械施工管理技士の資格を目指す場合は、自分のペースで学習を進められる点が大きなメリットといえるでしょう。学習以外のスケジュールも考慮しながら計画が立てられるため、仕事や家庭の事情にも合わせやすいです。
公式テキストや参考書を購入し、基礎知識から応用問題まで幅広く学習を進めましょう。過去問題アプリなどもあるため活用をおすすめします。
通信講座で学ぶ
通信講座は、独学よりも効率的に学習を進められる点がメリットです。専門的な知識を持つ講師が提供する教材や動画講義を通じて、体系的に知識を習得できますし、定期的な添削や質問サポートを活用して苦手分野を克服できるのも魅力です。
また、自宅や自分が集中できる場所で学習できるのも大きな利点です。費用は独学よりもかかることが多いですが、効率的に合格を目指すことができます。
講習会で学ぶ
講習会に参加して実践的な知識と技術を直接学ぶのも効果的な方法です。講習会では現場経験が豊富な講師から直接指導を受けられるため、具体的な事例や実務に基づいた知識を習得できます。
また、ほかの受講生との交流で情報交換やネットワークの構築ができるのも魅力です。さらに、講習会では短期間で集中的に学ぶことになるため、効率よく試験対策を進められます。ただし、開催日時が限定されることや費用がかかることがネックとなる場合があります。
まとめ
建設機械施工管理技士の資格を取得すると、建設機械の操作・管理のスペシャリストとして評価され、収入アップやキャリアアップにつながります。
資格取得に興味がある人は、ぜひこの記事を参考に情報収集を行い、独学、通信講座、講習会など、自分に合った方法で学習に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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