二級ボイラー技士はどんな資格?仕事内容から免許取得までの流れ、勉強方法についても紹介

二級ボイラー技士はどんな資格?仕事内容から免許取得までの流れ、勉強方法についても紹介

ボイラー技士は、ボイラーの管理や点検、修繕を担える国家資格です。特級・一級・二級と3種類の資格区分があり、二級ボイラー技士はオフィスビル管理の仕事に就く際に取得しておくと便利といわれています。

この記事では、二級ボイラー技士の仕事内容や一級・特級ボイラー技士との違い、資格試験の概要や資格取得のメリットを解説します。

目次

二級ボイラー技士とは

二級ボイラー技士は、ボイラーの取り扱いができる国家資格です。

ボイラーには、簡易ボイラー、小型ボイラー、小規模ボイラー、一般的なボイラーなど、複数の種類があります。このうち簡易ボイラーは誰でも取り扱いが可能です。また、小型ボイラー取扱業務特別教育を受講すれば小型ボイラーまで、ボイラー取扱技能講習を受講すれば小規模ボイラーまで取り扱えるようになります。しかし、すべてのボイラーの取り扱いができるのはボイラー技士のみです。

二級ボイラー技士の仕事内容

二級ボイラー技士の主な仕事内容は、ボイラーの運転・保守・点検です。

ボイラーはオフィスビルの給湯設備や暖房、工場、発電所など、幅広い場所に設置されており、設置されている場所によって任される保守点検の内容は異なります。

ボイラーは、1か月に1度自主検査を行い、その結果を記録・保存することが義務づけられています。点検の内容は検査指針によって定められており、点検の結果、ボイラーの不具合が見つかった場合、整備士や修理業者に修理を依頼するのも仕事の一環です。

なお、ボイラーを整備するには「ボイラー整備士」という資格が別途必要となります。ボイラー技士は点検や保守作業はできますが、本格的な整備は有資格者が担当します。

一級ボイラー技士・特級ボイラー技士との違い

二級ボイラー技士と一級ボイラー技士、特級ボイラー技士との違いは、ボイラー取扱作業主任者になれるボイラーの伝熱面積の広さです。一定規模以上のボイラーを設置する施設には、専任の取扱作業主任者の配置が義務づけられていますが、二級、一級、特級と級が上がるにつれ、より大型のボイラーがある施設でボイラー取扱作業主任者の選任を受けられます。

二級ボイラー技士は、貫流ボイラー以外のボイラーでは25平方メートル未満、貫流ボイラーのみならば250平方メートル未満の伝熱面積のボイラーが設置されている施設でボイラー取扱作業主任者になれます。

なお、一級ボイラー技士は貫流ボイラー以外のボイラーで25平方メートル以上500平方メートル未満、貫流ボイラーならば250平方メートル以上の伝熱面積のボイラーが設置されている場所でボイラー取扱作業主任者の選任になることが可能です。

特級ボイラー技士は、貫流ボイラーの伝熱面積は一級と同様ですが、貫流ボイラー以外のボイラーでは500平方メートル以上の伝熱面積を持つ製品が設置されているところでボイラー取扱作業主任者の選任を受けられます。

ボイラー取扱作業主任者になれるボイラーの伝熱面積の広さ

スクロールできます
二級ボイラー技士一級ボイラー技士特級ボイラー技士
貫流ボイラー250平方メートル未満250平方メートル以上250平方メートル以上
貫流ボイラー以外25平方メートル未満25平方メートル以上500平方メートル未満500平方メートル以上

二級ボイラー技士の試験概要

二級ボイラー技士の資格を取得するための試験について詳しく解説します。受検資格、費用、日程、資格取得までの流れは以下の通りです。

受検資格

二級ボイラー技士の受検資格は定められていません。年齢・性別・実務経験などに関係なく受検できます。ただし、試験に合格した後で免許の交付を受けるには一定の実務経験が必要です。

受検資格
年齢、性別、実務経験に関係なく受検できるが、合格後免許の交付を受けるには一定の実務経験が必要

実務経験がない場合

実務経験がない場合は、一般社団法人日本ボイラ協会が主催する実技講習を受講します。受講時間は法令で定められた20時間です。実技講習はボイラ協会の各支部で行われているので、まずは最寄りの支部の公式Webサイトを確認してください。実技講習を開催している日時や時間帯が記載されています。

実技講習の日数は3日間、費用は支部によって異なりますが、2万5,000円前後が相場です。申し込み方法も支部によって異なるので、しっかり確認したうえで申し込みましょう。講習を修了すると修了証が発行されます。

実務経験がある場合

二級ボイラー技士の免許を取得するために必要な実務経験には、複数の種類があります。最短は、都道府県労働局長や登録教習機関が行ったボイラー取扱技能講習を修了し、4か月以上小規模ボイラーを取り扱った経験です。

このほかの実務経験について詳しく知りたい場合は、一般社団法人日本ボイラ協会の公式Webサイトを確認してください。

試験の費用や日程・時間

二級ボイラー技士試験は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が主催しています。試験は協会の各支部でほぼ毎月行われています。

試験は、安全衛生技術試験協会の受検申請システムより申し込めます。受検申請に必要な書類の提出から受検料の払い込みまで、手続きはすべてオンラインで完了します。

受検費用は8,800円で、試験時間は午後1時30分~午後4時30分までの3時間です。

試験科目出題数(配点)試験時間
ボイラーの構造に関する知識10問(100点)13:30~16:30
(3時間)
ボイラーの取扱いに関する知識10問(100点)
燃料及び燃焼に関する知識10問(100点)
関係法令10問(100点)

参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会|受験資格(二級ボイラー技士)

令和6年度(令和6年12月~令和7年3月)

試験会場試験日程
北海道センター
東北センター
関東センター
(東京試験場)
中部センター
中国四国センター
九州センター
令和6年12月11日(水)
令和7年1月10日(金)
令和7年2月4日(火)
令和7年3月5日(水)
関東センター(市原)
近畿センター
令和6年12月11日(水)
令和7年1月10日(金)
令和7年2月4日(火)
令和7年2月26日(水)
令和7年3月5日(水)

令和7年度(令和7年4月~令和8年3月)

試験会場試験日程
北海道センター
東北センター
中部センター
中国四国センター
九州センター
令和7年4月10日(木)
令和7年5月27日(火)
令和7年6月13日(金)
令和7年7月10日(木)
令和7年8月6日(水)
令和7年9月26日(金)
令和7年10月16日(木)
令和7年11月12日(水)
令和7年12月11日(木)
令和8年1月13日(火)
令和8年2月3日(火)
令和8年3月6日(金)
関東センター(市原)令和7年4月10日(木)
令和7年5月27日(火)
令和7年6月13日(金)
令和7年7月10日(木)
令和7年7月24日(日)
令和7年8月6日(水)
令和7年9月26日(金)
令和7年10月16日(木)
令和7年11月12日(水)
令和7年12月11日(木)
令和8年1月13日(火)
令和8年2月3日(火)
令和8年2月27日(金)
令和8年3月6日(金)
関東センター
(東京試験場)
令和7年4月10日(木)
令和7年5月27日(火)
令和7年6月13日(金)
令和7年7月24日(日)
令和7年8月6日(水)
令和7年9月26日(金)
令和7年10月16日(木)
令和7年11月12日(水)
令和7年12月11日(木)
令和8年1月13日(火)
令和8年2月3日(火)
令和8年3月6日(金)
近畿センター令和7年5月27日(火)
令和7年7月10日(木)
令和7年8月6日(水)
令和7年10月16日(木)
令和7年12月11日(木)
令和8年2月3日(火)
令和8年3月6日(金)

参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会|日程(二級ボイラー技士)

試験時間・実施場所
午後1時30分~午後4時30分まで
北海道安全衛生技術センター(北海道)
東北安全衛生技術センター(宮城県)
関東安全衛生技術センター(千葉県市原市)
関東安全衛生技術センター 東京試験場(東京都)
中部安全衛生技術センター(愛知県)
近畿安全衛生技術センター(兵庫県)
中国四国安全衛生技術センター(広島県)
九州安全衛生技術センター(福岡県)
受検費用
8,800円

資格合格までの流れ

二級ボイラー技士の試験を受検する場合は、まず安全衛生技術試験協会の受検申請システムでアカウントを作成します。アカウントを作成したら、二級ボイラー技士試験を受検するのに必要な書類を確かめ、オンライン上で書類を作成してください。

なお、二級ボイラー技士試験は毎月行われ、試験の2か月前から申請が可能です。しかし、会場によっては早期満席になることがあるため、受検したい日がある場合は早めに申し込んでおくと良いでしょう。

合格発表は試験日からおおよそ一週間後、安全衛生技術試験協会のWebサイト上で午前9時30分より確認が可能です。

合格したら、実務経験を満たしている場合はそのまま免許申請を行いましょう。実務経験がない場合は、一般社団法人日本ボイラ協会が主催する前述の実技講習を受講したうえで免許を申請してください。

試験の合格率と難易度

令和5年度の二級ボイラー技士の合格率は以下の通りです。

年度受検者数合格者数合格率
令和5年22,178人12,137人54.7%

参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会|試験実施統計

合格率が50%を超えているため、難易度は低めに見えます。しかし、二級ボイラー技士の試験は1か月に1回開催されており、最高で1年に12回受検できるため、複数回受けて合格する人もおり、50%を超える合格率だからといって簡単な試験とはいえません。一夜漬けで合格できる試験ではないため、計画的に勉強をしましょう。

二級ボイラー技士を取得するメリット

二級ボイラー技士を取得するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。その代表的なメリットを3つご紹介します。

さまざまな場所で活躍できる

二級ボイラー技士の資格を取得すると、ボイラー設備のあるオフィスビル、工場、プラント設備など、さまざまな場所で活躍できます。ボイラー取扱作業主任者を採用するために有資格者を優遇する施設はたくさんあるので、ボイラー技士の資格取得は仕事の幅を広げたい場合にもおすすめです。

給与アップが狙える

資格を取得すると、会社によっては資格手当がつくため給与アップが狙えます。月々数千円の手当が付けば、数万円程度の年収アップが見込めるでしょう。また、転職を考えている場合は、資格を持っていることがアピールできれば今よりも給与アップが狙える可能性もあります。

キャリアアップを目指せる

二級ボイラー技士の資格を取得できれば、一級、特級も取得できる可能性が高まります。上位資格区分を取得すれば、より大きなボイラーを扱える作業主任技術者になれるので、さらなるキャリアアップを目指せるでしょう。

大きなボイラーの取り扱いや保守・点検ができる有資格者の数は少ないので、転職の際にも有利に働きます。

二級ボイラー技士を取得するための勉強方法

最後に、二級ボイラー技士の試験で合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。

問題集や過去問を繰り返し解く

二級ボイラー技士は独学でも十分に合格が可能です。試験対策用問題集や過去問がたくさん市販されているため、理解しやすい問題集や過去問を購入し、繰り返し解きましょう。

テキストを読み込む

一般社団法人日本ボイラ協会では、二級ボイラー技士の受検対策を行っています。対策の内容は協会の支部ごとに異なりますが、過去の出題傾向に基づいた予想問題に取り組む受検準備講習を実施しているところもあります。

このような勉強会に参加した場合、自主勉強で使えるテキストが配布されるケースもあります。講習会を受けたら終わりではなく、正解率を上げるためにもテキストはしっかり読み込みましょう。また、参考書を販売している支部もあります。

動画を活用する

YouTubeをはじめとする動画投稿サイトには、二級ボイラー技士の試験対策動画が複数アップされています。映像や耳から情報を得たほうが理解しやすい場合は、ぜひ動画を活用して勉強してみてください。

まとめ

二級ボイラー技士は、あらゆる種類のボイラーの保守・点検ができる国家資格です。ボイラー技士の中ではもっとも取得しやすい資格であるため、キャリアアップの足がかりとして適しています。

まずは二級ボイラー技士の資格を取得し、ボイラーのプロフェッショナルとして経験を積みながら、一級、特級へとレベルアップを目指しましょう。


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