施工管理技士の資格を取得するために実務経験を積もうと思っても、「自分が受けたい試験にはどれくらいの実務経験が必要なんだろう?」「未経験から実務経験を積むにはどうしたらよいんだろう?」と疑問に思う人もいることでしょう。
また、すでに現場で仕事をしている人も、自身の業務が施工管理技士の資格取得に適したものなのかわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、施工管理技士の資格を取得するために必要な実務経験について解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
施工管理技士の試験は実務経験がなくても受けられるものもある
施工管理技士の資格は、すべての検定で実務経験が求められるわけではありません。
施工管理技士の受検資格は令和6年(2024年)4月1日から新制度が施行され、2級・1級ともに第一次検定では年齢制限を満たしていれば受検可能になりました。受検のハードルが大幅に下がったことで若手が挑戦しやすくなり、今後の建設業界の人手不足・高齢化の解消が期待されています。ただし第二次検定は、第一次検定の合格が必須条件(2級の場合は1級第一次検定も含む)となり、第一次検定合格後に一定期間の実務経験が求められるので注意が必要です。
また、2021年度からは第一次検定に合格すると「技士補」として資格が認められるようになりました。早めに第一次検定を受検して、技士補として現場で実務経験を積み、第二次検定を受検するというのもキャリアアップ方法の一つです。

施工管理技士の第二次検定には実務経験が必要
前述した通り、施工管理技士の第一次検定は実務経験なしでも受検ができますが、第二次検定は第一次検定合格後に一定期間の実務経験が必要になります。検定種目によって受検資格が異なるものもあるため、自分が受検する予定の試験について、事前に受検資格を確認しておきましょう。
また、新制度への経過措置として、令和6年から令和10年までの間は、第二次検定は旧受検資格と新受検資格のどちらを満たしていても受検が可能です。
2級施工管理技士の受検資格
2級施工管理技士の受検資格について、制度改正前と改正後のものをそれぞれ紹介します。
改正前
学歴 | 第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|---|
大学(指定学科) | 17歳以上(当該年度末時点) | 卒業後実務経験1年 |
短大、高専(指定学科) | 卒業後実務経験2年 | |
高等学校(指定学科) | 卒業後実務経験3年 | |
大学 | 卒業後実務経験1年6か月 | |
短期大学、高等専門学校 | 卒業後実務経験3年 | |
高等学校 | 卒業後実務経験4年6か月 | |
上記以外 | 卒業後実務経験8年 |
改正後
第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|
17歳以上 (当該年度末時点) | 2級第一次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上) 1級第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
1級施工管理技士の受検資格
1級施工管理技士の受検資格について、制度改正前と改正後のものをそれぞれ紹介します。
改正前
学歴 | 第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|---|
大学(指定学科) | 卒業後実務経験3年 | |
短大、高専(指定学科) | 卒業後実務経験5年 | |
高等学校(指定学科) | 卒業後実務経験10年 | |
大学 | 卒業後実務経験4年6か月 | |
短期大学、高等専門学校 | 卒業後実務経験7年6か月 | |
高等学校 | 卒業後実務経験11年6か月 | |
2級合格者 | 条件なし | 2級合格後実務経験5年 |
上記以外 | 卒業後実務経験15年 |
(いずれも指導監督的実務経験1年を含む必要あり)
改正後
第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|
19歳以上 (当該年度末時点) | 1級第一次検定合格後、 実務経験5年以上 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上 監理技術者補佐としての実務経験1年以上 2級第二次検定合格後、 実務経験5年以上(1級第一次検定合格者に限る) 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る) |
- 特定実務経験
請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験のこと。
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
施工管理技士受検資格の新制度や、検定種目ごとによる受検資格の違いについてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご確認ください。

マンパワーグループコンストラクションでは
業界高水準の資格手当をご用意
1級施工管理技士資格をお持ちであれば「月5万円」、
2級施工管理技士は「月3万円」の資格手当を支給しております。
施工管理技士ごとに実務経験として認められる工事種別と内容は異なる
施工管理技士の資格取得に求められる「実務経験」は、現場における仕事のすべてが認められるわけではありません。実務経験に該当する現場の業務は施工管理技士の種類ごとに異なります。
建築施工管理技士の試験を受検する際に必要な実務経験は以下の通りです。
- 受注者(請負人)の立場で施工を管理(工程管理、品質管理、安全管理等を含む)した経験
- 設計者の立場での工事監理業務の経験
- 発注者側の立場で現場監督技術者等としての工事監理業務の経験
引用:一般財団法人 建設業振興基金 施工管理技術検定 受検の手引
実務経験の条件は試験の種類ごとに異なるため、自分が受検を検討している試験の条件を事前に確認しておくことが大切です。
施工管理技士の実務経験は勤務先からの証明が必要

施工管理技士の試験を受ける際は、実務経験について勤務先からの証明が必要です。受検の申し込みをする際に、「実務経験証明書」を勤務先の代表者に記入してもらう必要があります。未経験から実務経験を積んで試験を受ける予定の人は、受検するにあたって勤務先が資格取得に前向きであるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
未経験から施工管理技士の資格取得を目指す2つの方法
施工管理技士の試験は実務経験が必要とされているものが多く、未経験から資格取得を目指すのは難しいのではないか、と感じている人もいるかもしれません。ここでは未経験から資格取得を目指す2つの方法について解説します。
未経験可の求人に応募する
1つ目の方法は「未経験可」の求人に応募することです。仕事をしながら必要な実務経験を積むことで、施工管理技士の試験を受検できるようになります。ただし、どの会社でも受検に必要な実務経験を積めるわけではありません。自分が受けたい資格に必要な実務経験を積めるのか、資格取得に向けたフォローがあるかなどを面接時に確認しておきましょう。
2級施工管理技士の第一次検定を受検する
2つ目の方法は、2級施工管理技士の第一次検定を受検することです。2級施工管理技士の第一次検定は、受検年度に満17歳以上であれば誰でも受検できます。合格すると「技士補」の称号を得られ、施工管理技士の補佐として仕事ができるようになります。資格がなくても応募できる求人はありますが、技士補の資格を持っていることで応募できる求人の幅が広がる可能性はあるでしょう。
まとめ

施工管理技士の資格は、級が上がるにつれて長い実務経験が求められます。未経験の状態でいきなり資格を取得することは難しいのが事実です。ただし、施工管理の仕事は資格がなくてもできるものもあります。未経験可の求人に応募して、まずは経験を積みながら資格取得を目指すのも良いでしょう。
2級施工管理技士補は実務経験がなくても取得できる資格なので、取れる資格を先に取得しておくのもおすすめです。自分にとってやりやすい方法で、施工管理としてのスキルアップを目指してください。
マンパワーグループコンストラクション株式会社
関東・関西を拠点に、日本全国の建設会社に技術者を派遣している人材派遣会社です。
未経験者からベテランまで幅広く採用し、一人ひとりの希望に沿った案件をご提案いたします。
当社において最も大切にしている価値観は『技術者ファースト』。
一人ひとりが「自分と向き合ってもらえている」と感じてもらえるよう、営業・サポート担当の2名体制で本人をサポートいたします。
キャリアチェンジや異業種からの転職など、何でもお気軽にご相談ください!
マンパワーグループコンストラクション株式会社 コーポレートサイト